当時働いてた職場では中国人の来客に備えて、日本語が話せる中国人を通訳として雇っていました。そんな職場だったことと、私の関西人気質が中国人と相性がよかったのか、数人の中国人の友人ができました。日本語を喋ってくれるので助かってます。
そんな中国人の友人の1人が帰国を考えていると聞き、私はとてもショックだったと同時に、日本で働くことについていろいろと考えさせられました。
日本で働いても豊かになれない
少子化問題で働き手が少ないから、外国人の雇用を増やすという動きがあるものの、それでも外国人が日本で働くことに対してハードルが高いということを友人は語っていました。
当然ですが、日本人は日本に国籍を持っているから優遇されます。でもその当たり前を自覚するって難しいですよね。別の国で働くことそのものが大変で苦労も伴います。
母国で通用するさまざまな資格がある仕事ができる人でも
言葉の壁が大きくネイティブでないと通用しないので
簡単な仕事しか雇ってもらえません・・・。
簡単な仕事だと
- 低い給料
- 長時間労働
になってしまうと嘆いていました。
日本で生まれ育った私は給料がなかなか上がらないことや、長時間労働による生活の時間が足りないことが当然だと思って生きてきたのですが、冷静に考えると「いびつ」ですよね。
長時間労働のため時間に余裕がない
朝から夜まで働くと自分の時間が少なく余裕がなくなってしまう。
中国だともう少し余裕があります。
確かに終身雇用が崩壊し始め、共働き世帯が増えた日本で、昭和スタイルでの子育ては時間に余裕が無く本当に大変そうです。経済面や時間的にも負担が大きいので、子供を積極的に作りたいとは思わないのも無理はありません。
とある知り合いの子供がいる女性のお話ですが、少し子供の面倒を見てもらおうと母に子供預けると嫌味を言われるなんてこともあったそうです。
余裕が無くなってきているから、人にも厳しくなってしまっているのかもしれません。またそれが日本は豊かなのに心が貧しいと言われる理由かもしれません。
私は海外で暮らしたことがなかったので、本当の意味で共感してあげられず、その友人を引き止める言葉が浮かびませんでした。
日本のインフラは最強だが生産性の低さが課題
日本に生まれ育つと環境が恵まれていることに気付かず、つい日本の悪いところに目がいきがちです。世界から見て日本は
- 生活保護などのセーフティネット
- 水・電気・インターネット・交通などのインフラ整備
- 世界一と言われるほどの美味しい食
- たくさんの綺麗な観光地
などなど安心して暮らせる環境が整備されています。それこそ成熟した社会環境だからこそできることだそうです。
ただ日本では働いた時間の割にその恩恵は少なく、生産性や給料が低いことは世界でも驚かれるようで、日本の課題です。
安い日本
- 世界の物価は上昇しているのに、日本の物価は上がらず安いまま
- 物価が上がらないから会社の売上が上がらない
- 会社の売上が上がらないから給料が上がらない
- 給料が上がらないから安いものばかりが売れる
- 安いものしか売れないから物価が上がらない
というサイクルになっているので、世界からは見た日本は「安くて綺麗な国」というイメージになりつつあります。
まとめ
日本人はお金が少なくても慎ましく生きればそれなりに幸せという人が少なくありません。その考えを中国人の友人も理解できるそうですが、それでも
・年に1度は旅行
・月に1度は外食でちょっと贅沢
して息抜きをしたい!!
そのためなら女でも働きます!
そういった考え方は大賛成です。日本の女性も少しは贅沢したいと言いますが、そのために「私も働く」といったことは言わない印象があります。
どんな人生を送りたいか?という目的によって手段は変わってきますが、少なくともその中国の友人は日本でこのまま働きつづけても、自分の理想とする人生に近づけないと判断したのでしょう。
少なからず日本に夢を持って来てくれたのに、絶望させてしまうような結果になってしまい、日本人としてとても残念に思いました。